随想
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須磨の山から北アルプスへ

 幼い頃、私は毎週のように父母に連れられて、妹と4人で須磨の山に登っていました。月見山から天井川を遡っていきます。橋の下で暮らしている人もいました。
最奥の電気も通じていない所には朝鮮人集落がありました。須磨の山は意外と深いです。かなり上流の堰堤には広い砂場があり、子供会の運動会が行われたこともあります。いつも枯木を集めてきて、飯盒炊さんをしていました。今の横尾の街も広葉樹林が広がっていました。
 現在東西の山道は、六甲縦山登山道の一部となっているので、通る人も多いと思いますが、須磨の山を南から登っていくのも趣深いと思います。

 京都大学の構内で、夏休みに自然パトロールのバイトをしないかというビラがはっているのを見つけ、京大時代の夏休みは北アルプスに籠っていました。
 京大から環境庁や林野庁へ進んだ人は公害問題を何とかしたいとか、環境を守りたいという考えの人達で、警察官僚や大蔵省、自治省に進んだ権力志向の強い族とは別種の先輩でした。私達の夏のバイトの基地は平湯と上高地にあるのですが、わざわざ後輩のところへどうしているとやってきて、穂高温泉郷へ夕食に連れて行ってくれました。
 夏のバイトで乗鞍岳のお花畑侵入者見張りが一番楽でした。誰もいない高山植物の中でウロウロしていると雷鳥を見かけました。いつも山頂の郵便局(国内で最高地点にある郵便局)の2階が宿舎でした。
夜8時半を過ぎると灯りが全くなくなり、星だらけで、天の川がくっきり見えました。水は雪どけ水を使用しているので、真夏でも冷たく、少し天候が悪化するとストーブを炊いていました。

もうひとつの監視ルートは穂高岳から槍ヶ岳です。枯沢に5坪程の本当に寝泊りするだけの小さな小屋があり、ここが基地です。夕方になると各テントを回り、テント張り代を徴収していきます。
国有地ですので、多いときに100以上のテントを訪ねないといけないので大変です。食事はすべて枯沢ヒュッテで食べさせてもらいに行きます。夏だけまかないのバイトに来ている女の人も多く、食材はヘリコプターで運ぶので、おいしいです。
 困るのは風呂です。5日に1回位ドラム缶で風呂をたくのですが、いつも真っ先に山小屋の主人が入っていました。近くに長野県警の山岳警備隊の小屋があり、そちらは毎日風呂があり、私もたまに入れてもらいました。
 山でのケガや気分不良は多く、警察は忙しそうでした。私がいた中で最も困難だったのは、難ルートの滑落死者の遺体回収です。山の訓練を受けていた警察でも近づかず、反対側の峰から10数メートルの距離をライフル銃でロープを打ち抜き、谷底に遺体を落し回収していました。

 時間ができたら再び北アルプスへいきたいのですが、まだ一人息子が高校生なので無理なようです。
ヒマになった頃には体力的に不可能かと思いますが、すばらしい天の川を見たいものです。

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